Nuffel V2

究極のスローフライトパターン機を目指して製作した贋作EVOWRACERですが、いかんせん普段お邪魔している体育館が狭いためなかなか出撃の機会が無く、最近はもっぱら観賞用の機体となっていました。もっとサイズが小さくてもっと小回りが効いて、グリグリ大人げなく飛ばせたらなぁと思い、久々にEPPでアクロ版EVOを作ってみました。

まずサイズとしてはスパン800ミリを想定しました。大きすぎず小さすぎず板翼+EVO風BOX胴体の組み合わせで一番剛性が稼げるサイズではないかと思ったからです。尾翼サイズ等はF3Axisに倣いました。個人的に目指したのははもちろんEPP機らしからぬロールレートの速さです。そのため主翼のテーパーを強めにして、スパンと翼弦の比率を多く取りました。パターン機の場合は浮きを重視して翼弦を広くとる場合が多いのですが、この機体はまずロール重視です。
初期完成重量158g(バッテリー除く)
補強後重量169g(バッテリー除く)
モーターは手持ちのヘクストロニック(KV1300)で2セル・3セルで遊べてなおかつインドア・アウトドア兼用のスピード・キレ・コク・喉ごし重視の機体にしようと目論みました。サーボはエルロンに定番060BB、ラダー・エレベーターにはすっかりご無沙汰となった自作SAL機から降ろした060を搭載しました。エルロンの大舵角とスピード確保のためエルロンサーボには珍しく延長ホーンを付けています。アンプは2セル・3セル自動認識のエンルート12Aです。サーボの搭載位置はEVOに倣い、重心位置付近に集中させています。

初期のテストフライト時、逆宙返りでよれる(ロール方向にねじれる)傾向があったためまずは主翼のねじれ剛性をアップさせようとCliKばりのカーボンロッド補強を行いました。元々は胴体からスパン方向に2本だけの補強だったのですが主翼上部にも1本渡した後に主翼上面〜下面へロッドを貫通させ、なおかつ翼弦方向にもロッドを渡してあるため過去最強のガチガチ度になっています。コレによる重量増加は約8gくらいでした。脚はもちろん1.6ミリカーボンロッドです。
尾翼周りです。EPP機で糸リンケージは個人的にあまり向いていない気がするので(機体が歪んでしまうため)これまた定番の0.8ミリカーボンロッドを1ミリPPパイプで4カ所ほど固定しています。また、完成時にかなりのノーズヘビーが発覚したために、ウエイト代わりに垂直尾翼〜水平尾翼へ1ミリカーボンロッドの補強を入れました。う〜ん、たいしたウエイトにはなりませんでしたが剛性はアップしています。着陸時地表付近からの衝撃を避けるべくあえて上面にロッドを渡しています。
いざ完成してフライトさせてみるとかなりのノーズヘビーのため、エレベータートリムがかなりアップになってしまいナイフエッジで起き癖が出ていました。本来はバッテリーの位置を変えることで重心を移動させるのですがサーボの位置を重心付近に集中させたため、バッテリーが定位置にしか載らず、やむを得ず主翼前縁を付け足すことで重心を後に下げることとしました。翼端板は要らないかなとも思いましたがテストフライト時あまりに過激なロールレートだったため、付けてみました。が、翼端からの着陸(墜落とも言う)によりデプロンの翼端板が折れたので思い切って垂直板を1枚にしています。
フライトインプレッション 2セルでのテストではやや早めのスピードで水平飛行しています。ちょっとエレベーターが敏感な感じでエクスポを多く入れました。ペラは2セルで9-4.7もしくは8-6が良いようです。ほぼ初めて設計した機体としてはまぁまぁの飛びです。胴体側面積が多いせいか4ポイントロール等でナイフエッジ時、ちょっとアタマを上げる傾向もご愛敬です。ただ、初期フライト時の逆宙返りでのねじれは本当にいただけません。原因究明のためアレコレと策を練ります。
完成後のアレコレ まず、主翼ねじり強度のアップ(3枚目の画像です)をはかり、エレベーターの左右ねじり強度のアップの為カーボンスパーを貼りました。(しかしもともとエレベーターは中央部から引いているのでそれ程極端な癖は出ないはず・・・)それとモーターマウントが柔だったため胴体補強とマウント強化を行いました。コレでスラスト固定はOKのようです。この状態で多少風のあるコンディションの中フライトさせましたが、いかんせんエルロントリム自体が取れず、改善されたのかどうか分からない状態でした。日を改めて弱風の早朝に再度フライトさせました。すると今度は大分マシになったようです。逆フリップのような感じでダウン側にエレベーターを切ると約45度くらいはねじれるようです。ほんのちょっとのエルロン当て舵で済むのですが・・・。
フライト中に翼端板の小さい方の垂直板が折れたため思い切って切断。するとロールレートが上がり、翼端板独特の癖が和らぎ良い感じになりました。3セルでも飛ばしてみたところ、意外と水平飛行のスピードは変わらず、どっしりとした安定感が有り良い感じです。恐らく過強度とも言える主翼・尾翼の補強が効いているのでしょう。文字通りグリグリと遊べました。
テストフライト〜試行錯誤〜テストフライトを何度か繰り返してようやく一定のレベルに達した感じがします。
改めて自作機の醍醐味はここにあるんだなぁと感じました。デプロン機と違ってどんどん過激に練習できるのは大きなアドバンテージですね。ちなみにその後同じサイズの3セルで1世代前のEPP機(全備約400g)を飛ばしましたが、明らかに飛びはEVOアクロの方が上でした。EPP機も世代交代の時期ですね。
2004〜2005年当時よりもさらに軽量で安いメカ、効率的な機体補強方法などにより150グラム以上軽くなったEPP機は新たな可能性を感じさせてくれました。

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