ぷちトレーナー



本当に久しぶりに心に余裕が出来たので、何か手持ちのモノでなにか作れないかな?と考えてました。
そんなとき、ふと目についたのが、以前ヘリ用に購入した50XCモーターでした。
実は電動で再入門してからずっとブラシレス党だったので、
ブラシモーターで飛行する機体をを飛ばしたことがなかったのです。

さらに、以前海外通販で間違って注文してしまった激安ブラシアンプが
あったので、「よし、50XCの飛行機を作ろう」と思い立ちました。


で、どんな機体を作ろうかと思い、いろいろとイメージしてみましたが
久々のラジコンだし、近所の土手で気軽にとばせる機体と言うことで
ぷちトレーナー風の機体を作ることにしました。
もちろんキットではなく、手持ちのEPP他の材料を駆使して、
いっちょやってみようと思います。


で、いきなり完成〜破壊の図です。
丸一日時間のとれた日があったので朝から夕方までかかって制作して
次の朝に飛ばし初めをしたのですが、
市販機よりテールモーメントが短く、安定性に欠け、
市販機より上半角が少ないせいで非常に向きが変わりにくく、
飛ばしていてかなりフラストレーションがたまる感じでした。
失意の中帰宅後しばし考えた後、バラバラにしてメカを取り出しました。

最初の制作での個人的なこだわりポイントとしては・・・
@ EPP無垢翼ではなく、モナカ構造リブ翼とする。
(入門者が飛ばすわけではなく、手持ちの材料で作る関係で。)

A見た目がスマートな糸引きリンケージとする。

B胴体もムクではなく、箱組構造とする。
(手持ちの材料の関係で)

こんな感じで再度作り始めました。




まず主翼です。
プランク材は軽量化を狙って手持ちの3mmEPPを熱線で2mmにスライスし、
リブとスパーに3mmデプロンを使用しています。
熱線スライスは2oのヒノキ材にスプレーのりを吹き、
ガラスの上に貼り付けて半自動カッターでカットしました。
発泡スチロールしかカットしたことがなかったのですが
EPPは発泡よりも電流を若干上げた方が良いみたいですね。
片翼40pですので、場所を取らずにカットできます。



スパーの高さは15oに設定しました。翼型はオリジナルです。
プランクを薄くしたのも、以前モストレーナー制作時に感じていた
「EPPプランク翼は薄翼にできない」デメリットを解消したいがためです。
非力な50XCのパワーを十分に生かすためには、軽さと薄翼が大事と考えました。

しかし、本当にこのサイズの主翼は気を遣わないで作れるので楽ですね。



主翼は21グラムで完成しました。
中央にバンザイ防止のプラ板を貼っています。
カーボンじゃなくても結構強度が稼げるんですね。



これは破壊した初号機のリンケージです。
この手の機体の場合、後部のカーボンパイプ支持部がヤワだと
飛行にも影響するため、私は航空ベニヤでの支持を好んでいます。
そして、ハンドランチ機のようなPEラインでのリンケージを施しました。
初号機での失敗はベニヤの巾が狭すぎたことですね。



これが2号機(現役)のリンケージです。
サーボベッドにはベニヤのしなりを防ぐため、
竹ひごでトルクロッドを入れています。
さらにPEラインのテンションを上げるために横にも竹ひごを入れています。
これで軽量機での糸引きリンケージが可能になります。



尾翼と接続するとこんな感じで倒立になります。
今回、主翼を接着しちゃおうと思ったので、メンテナンスハッチは
胴体下部に設けることにしました。

ちなみに尾翼は3oEPPの端面にカーボンバーを接着補強しています。
動翼の一部のみ懐かしのPPテープ張りです。
本当は初号機のようにデプロンにしようかとも思いましたが、
EPPの接着ヒンジが好きなために、あえてEPPのままです。
まぁ、尾翼は通常壊れないところなので、デプロンで良いと思います。



今回のリンケージの目玉はコレです。
竹ひごを10秒ほど口に入れておいて、ライターでサッとあぶって曲げます。
するとなんと!即席ホーンの完成です。
後は動翼にぶっさして瞬間で固定すればOKです。



胴体の様子です。サーボ搭載部の右側はメカスペースにしてあり、
サーボ部分はデプロン板でフタしちゃいます。
そしてフタと主翼を接着する構造です。
予め50XCからのコードを通しておきます。
この構造だと、胴体を作る前にリンケージが終わっているので
結構楽に胴体が作れますし、載せ替えも楽ですね。



で、こんな感じになりました。
あとは主翼を胴体に接着し、適当に塗装して、適当に足をつけて・・・




で、完成です☆

満を持して、早朝の飛行に行ってきました。
場所はいつものダム湖です。
初号機でモータースラストや重心位置のデータがとれていたので
たぶん大丈夫だろう・・・。
手投げテスト・・・地上30cmでモーターONです!
イケます!
そのまま飛ばします。初号機とはうってかわって楽しいです。




sekiaiさんがぷちトレーナーのページで
「この機体を人に貸すとなかなか返してくれません」と書いてあったわけが
ようやくわかりました。

サイズを勘で割り出して、キットとは多々違う部分もあるので
うかつに言えないのですが、

ぷちトレーナーは車でたとえると
「ハンドリングマシン」
なのかな?と思います。
単純に旋回がすごく楽しいんですね。
ただ周回飛行をさせて、8の字を描く。
それだけでアクロ機を飛ばしているときとは違う快感があります。

直径3mくらいでくるくる回ることも可能ですし、
もちろんスピードも適度にゆっくり。
そして50XC搭載なので、余裕のフライトタイム。
300mAhのリポで20分以上は飛んでいます。

一番驚いたのは、今までアクロ機では全く使えないほど
性能の落ちてしまっていたリポが、この機体では余裕で使えたのです。
おそらく、ブラシレスモーター使用のファンフライ機では
必要な電力が多すぎて、条件が厳しかったのでしょうが
50XCでは大幅にハードルが下がったと思います。



ダム湖でのテスト飛行の後、思い切って違う場所へ。
機体を作ろうと思ったときに思い描いた近所の土手です。
あの土手で、安全に、スローに、静かに飛ばしたい!
その想いが、ようやくかないました。

飛ばしていると、犬の散歩の方々が通り過ぎます。
声をかけられるでもなく、ちょっと離れて立ち止まっているのがわかります。
飛ばしている方も恐怖感は全くありません。
数周ローパスさせたあとに、思いあまって、宙返りを!

すると「スゲェな・・・」というつぶやきが聞こえてきました。

嬉しい瞬間です。

しばらくラジコンから遠ざかっていましたが、
やっと楽しさを再発見した感じです。
ぼちぼち続けていきたいと思います。

ぷちトレーナー(もどき)スペック
主翼:EPP(プランク・フラップ)+デプロン(リブ・スパー)
胴体:EPP(一部デプロン)+カーボン・ベニヤフレーム
モーター:50XC 3030ペラ使用
アンプ:ブラシ用5A ノーブランド
サーボ:Waypoint 060×2個
バッテリー:リポ2セル300〜500mAh

諸元
翼長:800o
全長:690o (本家より20o延長)
翼弦:160o (本家より10o延長)
尾翼幅:320o

バッテリーなし重量:94g
全備重量:124g





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